しわ


かつて銀行に勤めていたエミリオは、認知症の症状が見られるようになり、養護老人施設へと預けられる。 同室のミゲルは、お金にうるさく抜け目がない 。食事の時のテーブルには、面会に来る孫のためにバターや紅茶を貯めている女性アントニアや、アルツハイマーの夫モデストの世話を焼く妻ドローレスらがいる。  施設には様々な行動をとり、様々な思い出を持つ老人達が、日々の暮らしを送っている。そして重症の老人は2階の部屋へと入れられることがわかる。  エミリオはある日、モデストと薬を間違えられたことで、自分もアルツハイマーであることに気づいてしまう。 ショックで症状が進行したエミリオは2階へ送られる日も遠くない。そんなエミリオのことを思い、ついにミゲルはある行動に出るのだった...
(公式サイトより引用)

海外のアニメーション映画ですが、内容はすごくリアルでした。
認知症状やその行動、いろんなものがリアルで見てて辛くもなりました。 認知症になることは必ずしも悪いことではない、とはよく言ったものですが、やはり当人からしてみれば、いろんなことがだんだんとわからなくなっていく恐怖や、 自分が認知症だという事実は受け止めきれるものではないのだとおもいます。
当人の苦悩を、そしてそれを目の当たりにする友人の心境も、リアルに描いた映画だったと思います。 だから見ていて決して楽しいものではないです。
どちらかといえば、見終わった後に心に何か重しができてしまうような、そんな映画でもあったように思います。
老いていくこと、忘れていくこと、その中で失わない何か、それもやがては失われていくであろうことに、どう向き合っていくのか。簡単にはいかないことばかりです。
ただ私も福祉関係の仕事をしているので、老いても失わない、寝たきりになっても失わない何かに、たまに触れることがあります。 それは朝のほんの数秒のことだったり、会話している中でひょっこり顔を出す程度なのですが、その人の大事な何かは、今もその人の中にあるんだなぁと考えさせられることも多々あったり。
あとこれは海外だからかどうかわかりませんが、養護老人施設なのにふっかいプールがあったり、食事は一皿ずつ提供だったり、日本の施設と違う点がみてて興味深かったです。