ストロベリーナイト:インビシブル


人気ドラマ・ストロベリーナイトの映画化。
暴力団龍崎組傘下の六龍会の構成員が殺された。 捜査を担当する警視庁捜査一課姫川班班長・姫川玲子は「犯人は柳井健斗」というタレコミ電話を受ける。 しかし上層部から「柳井健斗には一切触れるな」という厳命が。 納得できない玲子は柳井健斗について単独で調査を始め、9年前に柳井健斗の家族を巡るある事件を知る。 柳井健斗のアパートの前で張り込みをしていた姫川は不動産業をしているというマキタという男と出会い…。
(goo映画より引用)

ストロベリーナイトはドラマからずっと見ててケイゾク・トリックと続いて好きな作品。あの残酷なまでに人間の内面を描くドラマが好きで。

今回はとにかく、「菊田切ない」の一言につきるな、と。玲子と牧田の禁断の恋も注目すべき点ではあるんですが、ドラマからずっと姫川に恋心を抱いていた 菊田にとってはつらい展開だったな、と。
西島さん演じる菊田という男は本当にまっすぐなかっこいい男で、部下として姫川を尊敬しているし、女性としても想ってます。姫川だってそんな菊田の恋心には気付いているだろうに 見ないふりをしてる。嫌いなわけではないだろうし、どちらかといえば好意的なんだろうけれど、姫川と菊田の間には大きな壁がある。
壁は姫川のほうから作って、絶対に崩れない。過去の彼女の傷がそうさせているのだろうし、菊田のまっすぐさが自分と相容れないものだとわかっているのかもしれない。
心に暗闇を抱える姫川にとって、菊田という存在は明るすぎて、自分の闇を再認識させてしまうのかもしれません

そんな姫川の前に現れたのは、ヤクザの若頭補佐でもある牧田だった。裏の世界に生きる牧田は、直感的に姫川に自分と同じ匂いを感じ、姫川も牧田と通じるものを感じる。 菊田では理解できない、自分の暗闇を理解する男に姫川は惹かれてしまう。それが刑事としていけないことだとわかっていても、自分の中の暗闇が、消えない怒りや憎しみが、牧田への歩みを 進めてしまいます。

菊田はずっと姫川をみていたから、牧田に惹かれる姫川もわかっていた。わかっていて、それでも姫川をみ続ける。姫川を待ち続ける。例え姫川が牧田と車の中で○○なことになっていても、 いますぐ飛び出してとめたい気持ちを押し殺して、車の中で何か行われているのかわかっていながらも、ずっと姫川を待つんです。 もうやめて!菊田のHPはゼロよ!!って叫びたくなります。
というかもう途中から菊田、お前は忠犬ハチ公か、と突っ込みたくなるくらい、菊田不憫。
でもヤクザの事務所に単身乗り込んで牧田に対峙する菊田のシーンは、刑事ではなく男の菊田として牧田と向き合っていて、それがもう本当にかっこいいです。菊田と結婚したら絶対 幸せになるのに姫川はもったいないなぁーと・・女性視点だとそう思ってしまう。でもそれは姫川の望むこの先ではないんでしょうね。なら私が菊田をいただきたい。

話そのものも切なかったです。誰も彼もが、救われない。
というか牧田の弟分が若干ガチというか、荒川アンダーブリッチのヤスみたいでした。あの兄貴ラブのツバメのね。
ガチすぎて一緒に見に行った友達と「あれだね・・・あれはもう、あれだね」「うん・・・あれは本当の本当にガチのラブだったね」と若干引いたくらいあれでした。
ずっと雨ばかりのシーンで、最後に姫川と菊田が向き合うシーンでは雨があがって、菊田もさっぱりした笑顔を浮かべて、とても綺麗な終わり方でした。

あと映画の中でも安定の井岡、彼はストロベリーナイトの緩和剤ですね。生瀬さんはトリックでも変なキャラだったけど井岡役もあってたなぁー。日下さんはドラマではカッチカチの 真面目キャラだったけど、だんだんと癒し系になっていった気がする。もうこれでストロベリーナイトは終わりなんだな、と思うと寂しいですが、面白いドラマ・映画をみれて良かったです。

菊田役の西島さん、映画前に放映したドラマのときには大河に向けて肉体作りをしていたのでしょうね、なんかスーツの上からでもわかるムキムキぷりにちょっと笑った。