ted


一人ぼっちの少年の願い事によって魂が宿ったしゃべるテディベアとの友情(?)コメディ時々感動だいたい下品。

日本語吹き替え版で見に行きました。
はじめの出だしはこれなんてディ○ニーってくらいテッドと少年が愛くるしかったです。友達がいない少年ジョンはクリスマスの夜に 両親からプレゼントされたテディベアがしゃべれたらいいのに、と願います。少年の純粋な願いは、満点のお星さまによって かなえられ、翌朝目覚めるとテディが動いているではありませんか!そこからはいつも一緒。一番の友達。いつまでもいつまでも少年とテッドは仲良く暮らしました。

ってなれば純粋な映画になったのにこれはR15。純粋なお子様禁止の下ネタ全開放送禁止用語ピーピーな映画です。
はじめは可愛い釘宮さんボイスだったテッドも、27年のときを経て、ドラックで捕まるなどして落ちぶれ元セレブに。 デリヘル嬢を呼び込んだり、仕事先の同僚を野菜の女体盛りするようなどスケベに変貌しました。 かつては純粋だった少年ジョンも、テッドと朝からクスリを決め込む35歳となっていました。

釘宮!釘宮を返してー!釘宮が27年たつと有吉になるなんてあんまりだよ!!有吉さん好きだけどね!!
話は簡単に言えば、恋人から悪友と手を切って大人なれと迫られる主人公達の反省と成長というか。付き合っててもいいことなさそうな悪友だけど唯一無二の大事な友達っているよねっていうか。 でもそんな深いこと考えずにくだらないジョークや下ネタにぷっと笑うだけでも楽しめる映画でした。

字幕でもよかったんだけど、吹き替えにしたのは、アメリカンジョークを日本版に超訳してくれているからです。字幕でも吹き替えと同じように、日本人が見ても分かる翻訳に してあるらしいんですが、明らかにご当地名物「くまもん」としゃべってないのに字幕では「くまもん」と表現されるのでそこに違和感覚える人もいるみたいです。
あと私は単純に有吉さんの吹き替えが楽しみだったっていうのもある。声優としてうまいとかいうのではないんですが、テッドの毒舌っぷりと有吉さんが合致したな、と(笑
キャラ的にも有吉さんぴったりでした。時折テッド見てるのに有吉さんが浮かんできました、脳内に。テッドを雇ったスーパーの店長に「あんた病んでる?」っていうシーンはテッドじゃなくて 有吉まんまだった。

女性視点で見ると、もうテッドと遊ばないって恋人と約束したのに、テッドに誘われればつい行ってしまうジョンにイライラしてしまいます。
強く誘うテッドもテッドだけど、少し行って戻るだけのつもりが結局何時間も居座ってしまって彼女のことすっかり忘れちゃう。それを繰り返す。
普通ならここでビンタでもうさよなら、ですが、可愛い容姿のテディベアが架け橋となってくれちゃうから見てる側もそこまでイライラしないで済むというか。
それでも人によってはイライラするかもしれませんが。

そう、この映画が下ネタだらけでも、クスリばっかやってても、なんだか笑って見過ごせちゃうのはテッドていうしゃべるぬいぐるみの存在がでかいなって思います。 これが普通の悪友とのお話だったら、なんだろこいつら、で終わってしまう。自業自得じゃんって。

でもテディベアですから。クスリやってるのもお酒飲んでべろべろになるのも女体盛りしちゃうのもデリヘルよんで床に○○させちゃうのも、中味綿のぬいぐるみですから。
なんか重要な問題以前に「え、なんで中味綿なのに飲めるの、クスリでむせるの、っていうかテディベアとのセックスってどういうこと!?」ってほうに誘導されてしまう。 私は始終テッドが飲んだ酒はどこにいってるのか、綿にしみこまないのか、中味は超宇宙なんだろうか、ということに注目しちゃって。けっこうずるい映画です。

でももちろん悪ふざけだけじゃない。ちゃんとジョンとテッドの友情について描かれてる。悪いことばっかりやっているテッドだけど、ジョンが一番の友達、というか兄弟なのは 昔も、27年たった今でも変わらなくて、自分のせいでジョンと恋人が別れそうになった際にはもうジョンと会わない決意もする。
ジョンも情けないし、優柔不断だし、ダメダメなところばかりだけど、恋人が本当に好きで、テッドのこともぬいぐるみなんてこと忘れて、本当の兄弟だと思ってる。
そんなふたりに訪れた試練は結構残酷で、さっきまでのおふざけが嘘のように一瞬で緊迫感を見る側に与えてきた。
その緩急がこれはただのコメディじゃないって印象づけて、いい具合に大人も見れるファンタジーになった気がします。

最後の展開はちょっと簡単すぎるかなって思ったけど、最後に笑って劇場を後にできるからいいかなって思ったり。

まぁでも一番思ったのはね、やっぱりね、クスリ、ダメ、絶対。

多分クスリを辞めればこの作品のだいたいの問題は解決できるよ、と思ったのは日本人だからかな?